新年のご挨拶

音楽出版社の利益を代表する立場から積極的な活動を

会長 朝妻 一郎
社団法人音楽出版社協会
会長 朝妻 一郎

あけましておめでとうございます。
新しい年もまた昏冥のうちに迎えることになりましたが、MPAは著作権者として、また原盤制作者でもある音楽出版社の利益を代表する立場から、積極的な活動を行ってまいります。
わたしたちが長らく主要テーマとして取り組んできた私的録音録画補償金制度の見直しと著作権保護期間の延長は、近く著作権法改正という形で結論が出るものと期待しておりますし、実現へさらに力を注いでまいります。
これら法改正への活動を行う中で、コピーについて改めて考えてみたいと思います。コピー自体を悪とするつもりは、ありません。わたしたち自身、いわばコピーをしてもらうことによって利益を得ています。しかし、それはわたしたち著作権者の許諾を得て、相応の対価を支払ってのコピーです。
ところが、私的録音はすべて自由だという誤解から始まったのかもしれませんが、何をどうコピーしても許されるという認識が広がっているように思います。この誤った認識を正そうとすると、著作権者の主張は横暴だというように責められます。わたしたちは、改めて著作権とは何かというところから活動を始める必要があると考えています。
また、法改正の実現のほか、原盤制作者としては、放送二次使用料等の適正な分配のため、登録のオンライン化などに努めてまいりましたが、同時に原盤使用料収入の拡大とその効率的管理に取り組んでまいります。そのためにも、今回の30条の見直しは大きな意味を持ってくるものと考えます。
MIDEM(国際音楽産業見本市)での各種事業やICMP(国際音楽出版社連合)、NMPA(全米音楽出版社協会)との連携などの国際活動については、今年はアジア地域との関係強化を進めたいと考えております。特に、JASRACとKOMCAとの相互管理契約が締結された韓国について著作権管理業務の改善が進むよう協力して行きたいと考えております。
世界各国が音楽配信に大きな期待を抱いているにもかかわらず、CDの落ち込みをカバーできずにいる中で、モバイルを含めた日本の音楽ビジネスは他の国からうらやまれる状態にあります。今年も、音楽の力を信じて前に進んで行きたいと思います。