新年のご挨拶

「創立50周年に向かって、活気のある一年に」


日本音楽出版社協会
会長 稲葉 豊

 あけましておめでとうございます。
 昨年6月の定時総会において再任していただき、会長として2期目を迎えることとなりました。会員の皆様のご協力に改めて御礼申し上げます。
 
 さて、昨年はライブにおけるキャパシティの制限が緩和されるなど、少しずつ回復の兆しが見えてきた一年だったと思います。今年は、より活気のある音楽業界を目指して、業界全体で一丸となって努力してまいる所存です。
 
 MPAでは、昨年も音楽関係4団体(日本音楽事業者協会、日本音楽制作者連盟、コンサートプロモーターズ協会、MPA)で、業界活性化のためのロビー活動を展開いたしました。「自民党クールジャパン戦略推進特別委員会」では、音楽業界の現状を説明し、ライブビジネスにおける新型コロナウイルス感染予防対策ガイドラインについて規制内容の再整理を要請、スピード感ある規制の見直しを働きかけました。
 この音楽関係4団体では、日本の音楽コンテンツを海外に広げるための戦略を打ち出すための協議を重ねています。コロナが落ち着くという前提ではありますが、実現に向けて少しずつでも動きだせるように、積極的な活動を展開していきたいと思っています。

 コロナ禍において開催方法の制約はあるものの委員会・研究会における活動も順調に進んでいます。
著作権管理効率化タスクフォースでは、23年6月からJASRACの分配明細書がデジタル化されますので、JASRAC分配部と協議を重ね、新しい形式のデジタルデータが、各社の再分配システムにスムーズに連携されるように調整を行っています。この分配明細書のデジタル化にあたっては、従来、明細書に記載のなかったISWC、ISRCといった項目を追加していただけることになりました。これにより、音楽出版社におけるメタデータの管理やトラッキングが、より効率的に行えるようなるのではないかと期待しています。
 加えて、23年10月から「インボイス制度」が始まりますので、同タスクフォースにおいて、音楽出版社として準備すべきことを著作権管理担当者、経理担当者、それぞれの観点で整理をしています。実務的には、再分配計算を請け負っているベンダー各社との情報共有がポイントなので、同タスクフォースが窓口となって業務が円滑に進むように対応してまいります。
 また、デジタル徴収タスクフォースでは、インタラクティブの領域において、著作権使用料が適切に徴収されるための提案をしていくことをテーマとしており、JASRACやNexToneと積極的に意見交換を行っています。
 並行して、徴収された使用料が、適切に分配されているかを検証することも重要な役割となりますので、さらに精度が高まるように取り組んでいきたいと思います。

 最後になりますが、今年9月7日に創立50周年を迎えます。
 50周年記念プロジェクトを立ち上げ、これまでの歴史はもちろんのこと、最近の音楽出版ビジネスについて取り上げた周年誌を発行いたします。
 また、忘年パーティーの際に記念セレモニーを実施、会員の皆様をはじめ、これまでお世話になった方々をお招きして、賑やかに集えることを楽しみにしています。

 MPAでは、会員各社と作家・アーティストの方々に、すばらしい楽曲を創作していただけるように音楽出版ビジネスの活性化に努めてまいりますので、ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。
 

(2023年1月1日)