EU、レコード製作者の権利を70年に延長

国際音楽出版社連合(ICMP)の発表によると、9月12日ブリュッセルで開催されていたEU閣僚理事会は、著作権及び関連権利の存続期間延長の指令(Directive)を採択しました。
指令は、EU内における音楽録音物の実演家及びレコード製作者の権利の存続期間を50年から70年に延長し、共同著作物の保護期間を調和させるものです。共同著作物の保護期間は、作詞をした人であれ、曲を作った人であれ、最後に残った人の死後70年までとされる事になります。
指令は、EUにおいて「規則(Regulations)」に次ぐ強制力を持つもので、加盟国は目的を達成する義務を負うが、達成の方法や形式については、各国に任されます。今回は、EUのメンバー国は、2年以内に、この新しい規定をそれぞれの国内法に組み入れなければなりません。
ICMPは、他の利害関係者とともに、この指令書が採択されるよう積極的にロビーイングしてきました。「本日の採択は大きな業績であり、貢献してくださった皆様に感謝しています」(ICMP法務担当、ココ・カルモナさん)。 ICMPは、今回の採択について以下の様に発表しました。

(ICMP発表)
音楽出版社、著作権等存続期間延長に関するEUの決定を歓迎

ブリュッセル、9月12日 — 国際音楽出版社連合(ICMP)は、EU閣僚理事会が、EU内における録音物(サウンドレコーディング)の保護期間を50年から70年に延長するという欧州委員会及び欧州議会指令を採択したことを歓迎する。
「私たちは、共同著作物に関連した決定がなされたことを特に喜んでいます」と、ICMP事務局長、ジャー・ハットンは説明、「音楽作品の60—70%は共同著作物であり、この決定は、貿易障壁を取り除き、会員国間の不均衡を正し、そしてヨーロッパ中の多くの作曲家、作詞家、音楽出版社に明快な解答を与えることになります」と述べた。
この動きは、他のセクター及び世界の他の地域における著作権存続期間との差を縮め、ヨーロッパの国際競争力を強化する。それはまた、ライセンシングを容易にし、地域内市場の機能を高め、クリエイティブ産業内に、再投資することができる追加的資金を提供することを意味する。 以上