MPAは、CM制作の際の楽曲利用に関し、社団法人全日本シーエム放送連盟(ACC)、社団法人日本アドバタイザーズ協会(JAA)、社団法人日本広告業協会(JAAA)、社団法人日本アド・コンテンツ制作社連盟(JAC)に対し、以下の趣旨の内容で、要望書を提出しました。
拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
さて、最近、当協会会員である音楽出版社の管理楽曲に酷似した楽曲がテレビCMで利用されているとの報告が増えております。しかも、意図的に当協会会員社が管理する国内外の著名な楽曲に似せたCM音楽を制作し、あたかも当該オリジナル楽曲が利用されているかのような効果をあげることを目的としているとしか考えられないケースが少なくありません。
著作権者である音楽出版社から事情の説明を求めると、当初は偶然の結果であることを強調する回答が多いようですが、あまりに酷似していることもあって、最終的には意図的に似せたものを制作し、許諾を受けずに利用したことを認めることが多いのが現実です。
このような風潮は何も目新しいものではありませんが、当協会から貴連盟に善処をお願いした2001年6月1日付の文書により、その後は改善に向けてご対応いただいているものと理解しておりました。しかしながら、こうした意図的な無許諾利用とも思えるケースが再び看過できないほどに見受けられるようになり、また、現在では、テレビにとどまらずその影響はインターネット上の利用にまで及んでいます。インターネットサイトの中には、オリジナルに酷似した楽曲を具体的に書き込むサイトさえ存在しており、著作権侵害の拡大を憂慮する声は確実に高くなっています。当協会内では、国内の著作者及び海外の著作権者との契約により音楽出版社として負う責任を全うするために、今後、法的措置を含めより強い態度で権利行使を行う必要があるとの認識が共有されるに至っております。
音楽をCMに利用するには対価が必要ですし、許諾を得るまでに時間のかかる場合もありますが、著作権を尊重せずこうした手続きを無視する行為がコンプライアンスの観点からも重大な問題であることは、著作権者である場合も少なくない貴連盟会員各位には十分ご理解いただけることと思います。
つきましては、貴連盟におかれましても、CMでの楽曲利用に際して適正な著作権処理手続きが遵守されるようご高配賜りたく、再度お願い申し上げます。
敬具