新年のご挨拶

音楽出版のディテールへの理解を深めるために

会長 桑波田 景信
一般社団法人 日本音楽出版社協会
会長 桑波田 景信

 明けましておめでとうございます。皆様新たな思いで新年をお迎えのことと思います。

 昨年末に懸案であったJASRACのストリーミング規定が改定され、今年から施行されます。世界標準の規定が関係各位の努力で成立できたことに安堵する一方で、音楽のプロモーションがSNSの分野へ急速に移行しているなかで、台頭している新しいサービスへ対応しきれていないインタラクティブ関連規定の見直しも、次への大いなる課題です。

 また、イーライセンスとJRCの統合会社であるNexToneが2月から活動を始めます。様々な報道がこの新会社に関連してなされ、あまり著作権管理に興味を示さないような方から、色々な質問をされた経験のある方も多いと思います。こういった変革の時期にある音楽出版をとりまく状況の中で著作者・徴収団体・音楽出版社の三者の関係を改めて基礎に立ち返って整理をし、理解を深めることが必要です。
 申すまでもなくJASRACへは著作権管理に際し楽曲を信託しますが、NexToneへは委任をすることになります。この「信託」と「委任」の違いを様々な面から確認をすることは、個社が一曲一曲に対してどういった管理が相応しいかを判断する大本になるわけで、今の時期に改めてMPA会員各社とこういった両団体の根本的な違いに対して共通認識を持つ機会が必要であると考えています。
 その嚆矢として3月に関係団体に協賛を頂いて、NexToneの始動を機に、作家の皆さんと会員各社と共に著作権管理の在り方を考え確認するシンポジウムを開きます。日常のことなので改めて振り返ることのなかった著作権管理の根元に立ち返ってディテールへの理解を深め、著作者の皆さんと共通の基盤の上で、より良い管理の在り方を探って行きたいと思います。

 今年もアクティブなMPAであるべく邁進していく所存ですので、ご協力のほどよろしくお願い致します。