新年のご挨拶

アップターンへ音楽出版社の創造力を

会長 朝妻 一郎
社団法人音楽出版社協会
会長 朝妻 一郎

あけましておめでとうございます。
昨年は、我々にとって散々な年でした。私的録音録画補償金制度の見直しは、製造業者側の一方的な主張により放置されたままとなり、制度の形骸化は行き着くところまで行くことになりました。
また、単に世界基準への合致を求めただけの著作権保護期間延長は、目先のわずかな利益を主張する人たちのほとんど意味をなさない反対によっていまだに成立の目鼻が立っていません。
さらに、著作権を制限し、弱体化させることを目的としているかのような、コンテンツ流通促進策が声高に叫ばれるなど、これが知財立国を標榜する国かとただただ呆れるばかりの一年でした。
しかし、我々はこれを夜明け前の一瞬の闇と考え、カルチャー・ファーストを中心に関係団体と協力し、改めて今年の運動になお一層力を入れる所存です。
幸いにして、ライヴ会場には団塊世代の姿も多く見られますし、CDの落ち込みを音楽配信がカヴァーするなど音楽市場は、全体として最悪の時期を抜け出しつつあると思われます。
「ヒットこそすべて」−私たち音楽出版社は、持てる創造力を発揮して、音楽マーケット上昇への一助となれるよう努力してまいりたいと思います。