渡邊美佐名誉顧問が、「世界の音楽出版業界への顕著な貢献を称えるICMP Ralph Peer Ⅱ賞 2018」を受賞

 International Confederation of Music Publishers(国際音楽出版社連合 ICMP)は3月29日に、渡邊美佐氏(渡辺プロダクショングループ代表、日本音楽出版社協会名誉顧問)に「世界の音楽出版業界への顕著な功績を称えるICMP Ralph Peer Ⅱ賞 2018」を授与すると発表しました。
 受賞の経緯と渡邊美佐氏のコメントは以下の通りです。(ICMPプレスリリースより)

 渡邊美佐氏は世界70か国以上のICMP会員組織によりノミネートされた候補者の中から受賞者に選ばれた。日本、フランス、そしてまさに世界中で音楽出版業界に多大な影響を与えた功績を称えての授賞である。
 ICMPにより2013年に創設されたこの賞は、音楽出版分野で明確なビジョンをもって行動し、世界中の作詞家・作曲家の開拓・保護・尊重をしてきた第一人者への表彰としてはじまった。
 渡邊美佐氏は数十年にわたり業界トップの音楽出版社の中枢の一人である。渡邊美佐氏は1962年に夫 渡邊晋氏(故人)とともに渡辺音楽出版株式会社を設立。同社は日本で初めて楽曲の国内での著作権管理サービスを提供し、日本の音楽出版社の経済的安定の中心的役割を果たした。

 渡辺音楽出版は彼女の指揮の下、イギリスのロックバンド「クイーン」を日本で世界に先駆けてブレークさせ、これが世界的な成功のきっかけになった。渡邊美佐氏はクイーン、デビット・ボウイ、ディープ・パープルをはじめとする数多くの契約を行い、レミゼラブルの成功を導いた。また、渡邊美佐氏は1970年の大阪万博、EXPO’70のポピュラーミュージックプロデューサーも務めた。

 多くの業績を認められ、渡邊美佐氏はそのキャリアを通じて多くの栄誉ある賞を受賞してきた。1981年第25回Midemにおいて世界で音楽の発展に尽くした12人の中の1人にリチャード・ブランソン、クライヴ・デイビス、クインシー・ジョーンズとともに選ばれた。1999年文部省から著作権法百年記念特別功労者として表彰される。2004年にはフランス文化省から芸術文化への大きな貢献を称える芸術文化勲章オフィシエ、カンヌ市からはパルムドールを贈られている。2012年には藍綬褒章を受賞している。

 渡邊美佐氏は現在10社と2財団の渡辺プロダクショングループの代表。渡邊美佐氏は一般社団法人日本音楽出版社協会(MPAJ)名誉顧問も務めている。

 ICMP代表のクリス・バトラーは語る。「ICMPと世界の音楽出版社団体を代表して、美佐さんのこの名誉あり特別な賞の受賞をお祝い申し上げます。彼女はまさにこの分野の先駆者であり、1960年代以降の業績により彼女の母国のみならず世界の作家達や音楽出版社に大変貢献しました」

 渡邊美佐氏のコメント「このたびはおもいがけず大変名誉あるRalph Peer Ⅱ賞を授かるとご連絡を頂き大変光栄に存じております。この賞をいただいたことでMPAJを設立したころの懐かしい思い出がよみがえります。サル・キャンティアさん、レオナード・ファイストさん達とInternational Federation of Popular Music Publishers(国際ポピュラー音楽出版社連合)の立ち上げのミーティングをカンヌのマジェステックホテルで行った光景がとても懐かしくよみがえりました。ICMPのすべてのメンバーに感謝し、今後の連合のご発展を心よりお祈り申し上げます」

 ピアミュージック社の代表・CEOであり、ICMP役員であるラルフ・ピア2世はこう語る。「美佐さんは、優れた、そして優雅な手腕で、日本の音楽出版業界を高い地位に引き上げるという功績を成し遂げました。その仕事を通じて、日本の音楽出版社、楽曲に係わる作詞家・作曲家をたゆみなく支え、国内外で役所や、政治家とともに仕事をしてきました。ICMPのメンバーが『世界の音楽出版業界への顕著な貢献を称える賞2018』受賞者として彼女を選んだことを大変喜ばしく思います。名誉なことに、私は以前から美佐さんを知っていて、一緒に仕事もしてきました。彼女は世界の音楽出版業界、作詞家・作曲家のコミュニティを大きく変えてくれた人物です」

 Midem(カンヌで開催される音楽産業見本市)のディレクターを務めるアレクサンドル・ドゥニオは語る「MidemがRalph Peer Ⅱ賞2018の授賞式を主催すること、そして何よりICMPと共に、美佐さんの感動的なキャリア、音楽出版業界のみならず世界の音楽業界全体への比類なき貢献を称えることができることを本当に誇りに思います。美佐さんは楽曲を世界に届けるために精力的に働いてきた真に先見性のあるエグゼクティブです。そのキャリアを通じてMidemとも常に深く関わってくださいました。Midemは世界中から集まった先見の明のある音楽出版社により始められました。創設から52年が経った今もフランスのリビエラが世界の音楽のアドベンチャーの中心の地であることを私たちはとても誇りに思います」
 渡邊美佐氏を称える授賞式は、カンヌで開催されるMidem期間中に開かれる6月5日のガラディナーにおいて執り行われる。

本賞について
 「世界の音楽出版業界への顕著な貢献を称えるICMP Ralph Peer Ⅱ賞」は、2013年ICMPによって創設され、その最初の受賞者Ralph Peer Ⅱの名を冠することとなった。2015年の受賞者は音楽出版業界のアイコン、アーウィン・Z・ロビンソン、2016年は、音楽業界のイベントMidemが受賞した。

ICMPについて
 ICMPは音楽出版業界の利益を国際的に代表する世界的な業界団体。構成メンバーはヨーロッパ、中東、南北アメリカ、アフリカ、アジア太平洋の音楽出版社協会で、日本からは一般社団法人日本音楽出版社協会(会長:桑波田景信㈱日音社長、会員数:326社)が加盟している。
 メンバーの中には有力な多国籍・国際的企業もあるが、地域内あるいは国内のみで活動している音楽出版社もいる。ICMPの使命は、音楽出版社、作詞家・作曲家団体、音楽制作者等の声を代表する存在、彼らに基準点を示す存在として、国際的な著作権保護の強化、音楽業界の環境改善、世界での業界の地位向上を使命としている。

関連サイト

ICMP
https://www.icmp-ciem.org/