ICMPニュース vol.10 (2012年10月10日更新)

米国状況:

  1. 下院において提案されている新法はインターネットラジオの料金を下げるもので、MusicFIRIS等のアーティストを代弁するグループは同提案は料金の構造を変えるものであり、不公正でアーティストのためにならないと主張している。
  2. ニールセンによれば、昨年に比べデジタルアルバムの売上が15%上昇した。既に10億デジタル曲が購入されており、2011年の13億曲を越すと考えられている。これはスマートフォンやタブレットの影響と考えられる。

日本状況:

違法ダウンロードの利用者に対する罰則規定が発効した。6月に議会を通過した本法は最長2年または200万円の罰則規定がある。

インド状況:

デリー高裁は、ライセンス無しでインド演奏権協会会員の歌詞や楽曲の使用中止と、損害賠償金の支払いを某イベント会社へ命令した。

ベトナム状況:

著作権のある音楽ファイルの未許可使用を懸念したコカコーラ及びサムソンは、10月3日付で同国内のWebサイト、Zing.vnに対する広告を中止した。他方、同Webサイトは10月8日ユニバーサルミュージックグループと使用料支払いと交換にユニバーサル楽曲の利用を認める旨合意したと発表した。

フランス状況:

米政府の「海賊商品流通悪徳マーケット・リスト」に載っている中国のオンラインマーケット、Taobaoが、アジア太平洋映画協会との覚書に署名した。これにより、同サイト上で行われる著作権侵害物と偽造品の販売を中止させる。Taobaoは世界で最もアクセス数の多いサイト16位以内にランクされている。

中国、知財権保護は経済発展に極めて重要

10月2日、フランス政府はHadopiの予算を1200万ユーロから800万ユーロに削減すると発表した。 文化省は、オンラインでの文化の流布に関してすべての関係団体の利益の調和を図るメカニズムを見つけるため、権利者とインターネット業界の協議を開始すると発表した。

米国状況:

  1. 10月4日、EU理事会は本、雑誌、楽曲及び写真等の著作権を有する作者不明作品のデジタル化について非営利目的に限りその利用を認める規定を承認した。欧州議会は先月同規定を採用しており、EU公式文書における発表を待ってEU法となる。加盟国は国内法に導入するまでに2年の猶予が認められる。
  2. ECは「ヨーロッパにおけるクラウドコンピューティングの潜在性の探求」と題する文書を発表した。同書はEU市民がクラドコンピューティングの利益を享受するために必要とする主要な行動を明記している。それは共通基準の設定やクラウドコンピューティングのモデル契約の作成、コンピューティングを通じて一般へのサービス向上を目指す上でECパートナーシップを設定することを含む。
  3. 10月1日、欧州議会において全体的権利管理(Collective Right Management)規定の公聴会が開催された。同公聴会には、ICMPも参加した。また規定支持及び権利使用者の両方の団体がパネリストとして参加した。両団体は共に、規定案を指示し、全体的権利管理における明確さと透明性の必要を強調した。特に、パネリストは規定案にもう一歩突っ込んだ「管理団体」の定義が必要とした。各国内の全体的権利管理モデルが成功するためには規定案に明記された最低限の必要事項が満たされるならば、それ以上限定的にする必要はないとしている。