音楽への脅威、2012年上半期で30億曲もの違法ダウンロード
Musicmetric社のデジタル音楽指標報告で、2012年上半期中に全世界でBit Torrentを使用して違法ダウンロードされた音楽は30億曲を超えると報告された。米国が最も大量で、9700万ファイル。この調査によれば、合法サイトが確立している国では、違法ダウンロードの比率が低レベルであると指摘されている。
米国、6ストライク制、まもなく実施
著作権情報センター所長によると、米国内の権利者とインターネット接続プロバイダーの間で協議中だった6ストライク制が本年中に実施される見込み。実施後は、権利侵害著作物を受け取ったユーザーにはプロバイダーから警告メッセージが送られるため、教育的効果を期待できるとしている。6ストライク制は他の同類制度と違って、業界主導であり、罰則措置をプロバイダーに一任している。
米国政府、要注意国リストを発表
連邦政府の反海賊行為会議は、今年度の要注意国(十分な知的財産権保護策を行っていない)リストを発表。スイスとイタリアが新たに加えられ、カナダとスペインは法改正を受けてリストからはずされた。
オーストラリアでファイル交換減少
技術系大学による研究調査の結果、P2Pファイル交換の利用者は2009年の27.8%から2012年は22.6%に減少し、過去4年間で最低を示した。合法サイトが充実したことと、無許諾のファイル交換の違法性が一般に認知されてきたことによるものと見られる。
Taobao、映画協会と覚書に署名
米政府の「海賊商品流通悪徳マーケット・リスト」に載っている中国のオンラインマーケット、Taobaoが、アジア太平洋映画協会との覚書に署名した。これにより、同サイト上で行われる著作権侵害物と偽造品の販売を中止させる。Taobaoは世界で最もアクセス数の多いサイト16位以内にランクされている。
中国、知財権保護は経済発展に極めて重要
9月、ワシントンで知財関連の米中協力会議が行われ、中国の通商代表は中国経済の変革・再編に知財権保護が重要であると強調した。また、法の整備・実施の必要性を認めた。
EUで著作権者不明作品の公共化
9月のEU議会で、著作権者不明作品に関する指令が採択され、書籍、新聞、雑誌、映像・映画作品の著作権者不明作品を非営利目的であればデジタル化できるようになった。ICMPはこれを歓迎。ICMPは、著作権保護の原則を尊重しつつ、古い作品、今後の作品、現行作品の保護・活用を支援する。また、著作権者不明作品かどうかを見極める調査体制の重要性、著作権者不明作品を合法的に活用できるツールの開発、今後、著作権者不明作品が現れないようにするための施策の必要性を訴えた。
仏、初の罰金刑適用
反海賊行為法(Hadopi 3ストライク法)が初めて適用され、違法ダウンロードに対してユーザーが罰金刑を科せられた。
中欧・東欧音楽出版社会議開催
9月、ICMP協力の下、中欧・東欧音楽出版社会議がベオグラードで開催され、87団体が参加した。著作権保護体制の整備、出版社間の連携、デジタル時代の著作権侵害への対応、EUのCollective Rights Management と多国向け許諾に関する指令(提議案)、世界的作品データベースなど、同地域の課題や今後の可能性が議論された。