ICMPニュース vol.15 (2012年12月19日更新)

ラテンアメリカ諸国とEU間で新貿易協定締結

12月11日、EUはコロンビア、ペルー、そして6つの中米諸国(コスタリカ、エルサルバドル、グアテマラ、 ホンジュラス、ニカラグア、パナマ)との自由貿易協定を承認した。
協定は輸入関税を削減し、貿易に対する技術的な障害を取り除くことにより、双方の市場を開放するだろう。 またこの協定は、関税だけにとどまらず、特に創造的産業に関連する知的財産権を含む。
ICMPは、物理的およびインターネット上の両環境において、知的財産権の強力な保護を含むいかなる協定及び、知財強化に関する国際的協力の促進を支持するものである。

シンガポールとEU間の自由貿易協定最終交渉

12月16日、シンガポールとEUは包括的であり、ヨーロッパとシンガポールの企業が共にビジネスを行う際、 新しいチャンスを生み出すであろう自由貿易協定の最終交渉を終えた。
「韓国との合意に成功した後、シンガポールとの合意に達したことは、アジアにおけるEUのプレゼンスを拡大する事になる。しかし、私たちはここで満足するのではなく、アセアン地域の他の国々との自由貿易協定締結へ繋がっていくことを期待する。」とKarel De Gucht、EU委員(通商担当)は述べた。

環太平洋戦略的経済連携協定交渉(TPPA)が行われる

環太平洋戦略的経済連携協定の15回目の交渉が12月上旬にニュージーランドのオークランドで行われた。
期間中の各界関係者の報告で、知的財産権の保護が盛んに議論されたテーマであったのは明らかであった。
現在この交渉に参加している国は、オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、アメリカ、ベトナムであるが、日本、タイ、韓国なども参加に関心を示しているといわれている。

全米著作権使用料委員会が新料金と新条項を発表

全米著作権使用料委員会は、公共放送でメディアが使用する際の新しい料金と条項を発表した。
委員会は5年毎に非営利的なラジオ放送やテレビ放送に対して、新しい料金を発表するよう法律で義務づけら れている。また、大学のラジオ局に対する段階的使用料制度も導入された。

アメリカ、NMPAがより透明性の高い報告を要求

強制実施権に従った原版制作・流通に関する報告規制についての意見を米国著作権局から要求されたことに応じ、NMPAは音楽出版社や作曲家たちが自分たちの作品の使用に対する対価を理解できるように一層の透明性を求める意見を提出した。

インド、著作権ライセンスは15%の増加、しかしライブ音楽、バックグラウンド音楽については損失

インド上演権協会(IPRS)によって交付された著作権ライセンスは、前年に比べて15%増加した。
しかし協会は、商業用利用の60%以上がライブ音楽やバックグラウンド音楽について著作権ライセンスを保持しておらず、年間で3億ルピー(約380万ユーロ)の損失となっていると推定している。

欧州議会が単一EU特許権を承認

12月11日、欧州議会はEUのための単一特許権、言語体制、統一特許裁判所で構成される、“EU特許権パッケ ージ“を承認した。この新しい特許権は、創案者や企業にとって、より安価で効果的なものになる。
スペインとイタリアは当面はこの体制から抜けることにした。
「知財は国境で停止すべきではない。EU特許権導入への道のりは長く、困難なものであったが、最終的に 苦労が報われた。」と単一特許権保護体制を設立する規制について、Bernhard Rapkayは述べた。

デンマーク、私的複製課徴金について、欧州裁判所へ質問

デンマーク裁判所は、デンマークの著作権管理団体、Copydan Bandkopiと電話機製造業者、Nokiaに関する事例を受け、欧州裁判所に対し、私的複製課徴金についての予備的質問に言及した。
他のEU加盟国のいくつかの裁判所も本件に関し、欧州裁判所に質問を送った。

フランス、HADOPIの代案を提示

フランス文化省大臣、Aurelie FiIlippettiは、インターネット上にはびこる大量の著作権侵害に対抗する手段として、現行のHADOPIシステムに代わる案を提示した。
この手段は、無許可のウェブサイトをインターネット上で見えにくくしたり、著作権侵害を促進するウェブサイトへの収入を断ち切ったりするなど、違法なコンテンツに対抗するべく、インターネットサービス業者により大きな責任を課すことを重視するものとなるだろう。

イギリス、ハーグリーブス・レビューの代案を発表

12月4日、MPA UKを含む著作権保有者を代表する英国事業者団体のグループは、ハーグリーブス・レビュー の提言に代わる提案を発表した。
“ライセンス・UK”と題された提案は、簡便化されたライセンス、新しいライセンスモデル、著作権管理団体のための透明性とガバナンス基準、著作権教育などの要求を含んでいる。
この提案の詳細については、下記ウェブサイトで確認できる。
http://www.prsformusic.com/licensingUK

MIDEMとICMPがスピード・ミーティング・セッションで音楽出版社と対面

“音楽出版社との対面”をテーマとした昨年のスピード・セッションの成功に続き、MIDEM 2013においても再び、5分間のスピード・ミーティングを開催することを発表した。
各セッションは1時間の予定で、音楽出版社は、MIDEM参加者や潜在的なビジネスパートナーと触れ合う。その目的はすぐに契約を締結することではなく、音楽出版社の役割を説明し、音楽業界の専門家との人脈を築くために効果的な方法を探している新しい企業や若い参加者たちとのネットワークを促進させることである。
2012年に初めて主催され、音楽出版社は多くのMIDEM参加者と対面し、それが最も多くの人が参加したスピード・ミーティング・セッションへとつながり、大きな成功を収めた。
日時: 2013年1月26日(土) 3:30pm~4:30pm
2013年1月29日(火) 2:00pm~3:00pm (初回が満席の場合のみ)
参加確認については、ICMP( nina.associate@icmp-ciem.org )へご連絡下さい。
スペースには限りがあり、先着順となります。