ジョナサン・ホ(フジパシフィックS.E.Asia) 2013年6月30日付

2013年6月30日付

ジョナサン・ホ(フジパシフィックS.E.Asia)

香港

無料放送ライセンス

5月14日、香港の最高裁判所はTVB(香港の主要テレビ局)の通信機構への無料放送枠の申請を却下した。今のところ、通信機構は3枠の無料放送ライセンスを2枠へ減らすことを求めている。この新しい決定によって3社 (HK TV、Cable TV、Now TV)中、2社のどこが残るか様々な推測が生じよう。HK TVは、6月上旬にyoutubeを通してTVドラマ「ボーダーライン」第1話を放送。HK TVは、この動きが無料放送ライセンス獲得の後押しになることを期待している。

音楽ストリーミング市場の活性化

Spotifyが4月中旬に開始し、他の海外の音楽配信会社も同様にストリーミング市場における競争を視野に入れている。なかでもRdio、Deezer、Google Playは既に強い関心を示している。音楽出版社や徴収団体は、デジタル音楽市場の活性化に繋がると、全ての音楽配信会社を歓迎している。音楽の会員登録制サービス(サブスクリプション)は主要2大ストリーミング配信会社であるMoovやKKBoxに支配されている。

中国

中国初のミュージカル劇場

中国初のミュージカル劇場である「西市」が、5月16日首都北京の西市地区に完成した。この劇場は、管理事務所、研修センター、750平方メートルの舞台を含め3,000平方メートルの面積を有している。西市は、中国オリジナルのミュージカルの宣伝を目的としており、特に中国のミュージカル発展のための研修コースや会場を提供。ミュージカルは、昨年以来中国で成長し続けている。いくつかのミュージカルは全国で年間150公演を超えるとみられる。

インドネシア

信仰心が音楽CD販売に貢献

インドネシアのCD市場において注目すべきは、宗教への信仰が音楽業界への関心を示している点である。その結果、合法的な伝統的で宗教的な音楽CDとカセットテープの購入という一貫した需要を生んだ。このことは、デジタル改革の中でCDやカセットテープが生き残る方法を示す事例のひとつである。

ライタープロフィール
j-ho

ジョナサン・ホ
香港を拠点とし、1986年から音楽業界で活躍。1998年フジパシフィックミュージック東南アジア支社長。2007年から香港著作権管理協会(CASH)理事、香港音楽出版社協会会長。東南アジア地域の音楽出版社の集まりであるアジア音楽出版社協議会(AMPs)理事長でもある。