GRD(楽曲の権利者や管理情報の世界共通データベース)
現在、オンライン上でグローバル・レパートリー・データベース(GRD)について勉強する事ができる。(URL参照)
この映像はWorld Creators Summit開催中に撮影されたもので、GRDの設置に関する最新情報が含まれている。このGRDは、世界中の著作権権利者についての単一かつ包括的なデータベースで、著作者、徴収団体、音楽出版社、デジタルサービス提供者が共同開発したものである。GRDの要件とデザイン段階は終盤に差し掛かっており、秋には構築を開始する予定である。
関連した動きとして、GRDに参加しているヨーロッパの徴収団体のPRS、STIMとGEMAは、2014年からダウンロード、ストリーミング、サブスクリプションサービスを提供するGRDのライセンス補完拠点の設立を発表した。
視聴覚的実演に関する条約
6月19日、EUは昨年北京で締結された視聴覚的実演におけるWIPO(世界知的所有権機関)条約に調印した。この条約はアーティストの著作権及び関連権利の国際的な保護を確実なものとするだろう。
米国、パンドラのラジオ局買収で騒動
インターネットラジオサービス会社のパンドラは、印税率を低く抑えるため、サウスダコタ州の地上波ラジオ局を買収した。米国の徴収団体ASCAPとBMIは、著作者に損害を与えるものとして、この動きを非難している。
NMPA(全米音楽出版社協会)会長兼CEOのデイビッド・イスラエル氏は、パンドラの著作者と音楽出版社への扱いを批判した。イスラエル氏は、「間違いなく、パンドラは著作者と戦争状態にある。同業他社は契約によりビジネスを行っているのに、パンドラはビジネスを可能にしたその著作者を訴え、儲けようとしている」と述べた。
最近の報告によれば、著作権費用の増加を抑えるもう一つの手筋として、パンドラは、ライセンスを直接得ようとASCAPを相手に申立てを行っている。数名のミュージシャンはこういった動きに対してその懸念を表明している。6月23日のUSA Todayの紙上で「パンドラのインターネットラジオは印税泥棒」と批判したピンク・フロイドもその一例である。特に、このバンドは、同社がアーティストに対して送った手紙に強く批判しており、その内容は、保証内容の詳細は省略され、そのサポートを求めるだけのものとなっている。
メンバーのロジャー・ウォルターズ、デヴィット・ギルモア、ニック・メイスンは、「食料品店は、彼らが売る食品に支払いをすることに対して文句は言わない。ネットフリックス(米国オンラインDVDレンタル会社)は映画のために、パンドラが音楽に対する支払いよりも多く支払っているにも関わらず、議会に助けを求めていない。自分の仕事が何をもたらすかに関わらず、誰もが自分の仕事に対し公正な代価を支払われる権利を有している」と書いている。
米国、NMPAとRIAAがマイクロライセンス開発中
NMPA(全米音楽出版社協会)とRIAA(米国レコード協会)は企業や個人が簡単に音楽使用許可を得られるよう、共同で簡略化されたマイクロライセンスシステムを開発中である。
RIAA会長兼CEOであるケアリー・シャーマン氏は「多くの企業や個人が、商品、サービス、イベントをよりよいものにするため、音楽を使用しているという事実が音楽の価値を示している」と述べた。
フランス、初のインターネット接続遮断処分
フランスの裁判所はHadopiの下、オンライン違法ダウンロード者に対し、初めてインターネット接続を遮断する命令を下した。このユーザーは600ユーロの支払いと15日間のインターネット接続遮断処分が科される。
フランス、文化相がインターネット接続可能機器に新税導入へ
6月21日、フランスのオレリー・フィリペティ文化担当大臣はコンピュータ、タブレット、スマートフォン等のインターネット接続可能機器に対して、今年末から新税が適応されると発表。この新税はフランスのクリエイティブ分野支援の助けとなるだろう。
ロシア、著作権侵害音楽の削除を開始
vKontake(ロシア版SNS)は、ホームページ上から著作権を侵害しているファイルの削除を開始したと発表。vKontakeは以前著作権侵害に関するいくつかの訴訟対象だった。
また、ロシアではオンライン上の知財権保護強化案が国の議会で可決された。これは8月から実施予定であり、著作権者が裁判所命令を通して、著作権を侵害しているウェブサイト閉鎖できるようになる。しかし、同法案の対象範囲は狭くなり、音楽やソフトウェアのような著作物というよりも映画に関してのみ適応される。