ICMPニュース vol.6 (2012年7月18日更新)

米国通商代表部、環太平洋経済連携協定 スリー・ステップ・テスト提案

米国通商代表部は、環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉で、著作権の例外及び制限に関する新しい規定の取り入れを提案している。
米国通商代表部は、通商協定において初めての試みとして、オフィシャル・ブログで次のようにコメントしている。
「米国が提案する新規定は、批評、コメント、ニュース報道、教育、研究などを目的とした表現上の例外及び制限を適用する上で、加盟国が適切なバランスをとるべき新規定を提案するもので、それは、世界的に公認されているスリー・ステップ・テストと調和するものである。こういった原則は、米国著作権システムの重要な面であり、米著作権法と判例法でも明らかである。」

欧州議会、「模倣品・海賊版拡散防止条約(ACTA)」否決

7月4日、欧州議会は、「模倣品・海賊版拡散防止条約(ACTA)」を否決し、ACTAによる知財強化の国際的実現化に期待していた欧州産業界に大きな失望をもたらした。しかし、欧州委員会は、繰り返し、ACTAの重要性を主張し、欧州司法裁判所の裁定が出次第、欧州議会とACTA参加国と、議論を継続していくと述べている。

オーストラリア、「Music Rights Australia」設立

MIPI(音楽業界著作権侵害調査団体) は、「Music Rights Australia」として再スタートをきった。新団体は、ARIA(豪レコード協会)、APRA(豪演奏権団体)、AMCOS(豪録音権団体)の共同事業で、前MIPI同様、著作権の保護、提唱、教育に焦点をあてる。

デンマーク、ISPの著作権侵害コンテンツへのアクセス遮断について新枠組み

デンマークのインターネット・サービス・プロバイダー(ISP)と著作権権利者らは、著作権侵害コンテンツへのアクセス遮断について合意した。この新しい枠組みにより、プロバイダー1社が裁判所命令を受けた場合、国内すべてのISPは該当著作権侵害コンテンツへのアクセスを遮断することとなる。

イスラエル著作権管理団体、著作権侵害でメディア・グループを訴訟

イスラエルのACUM(著作権管理団体)とフランスのSACEM(著作権管理団体)は、メディア・グループ「Kul al-Arab」を著作権侵害で訴えた。当グループの音楽配信サイトで、ユーザーは、違法に楽曲をダウンロードできる。両団体は、該当サイトについて、永久的な裁判所命令を要求している。

韓国の音楽配信への新しい料金システムについて非難

韓国文化体育観光部は、音楽配信サービスの新しい料金システムを2013年から導入する案を発表した。新システムには、楽曲のダウンロード/ストリーミング数をベースとして料金チャージなどが含まれる。しかし、韓国音楽業界関係者らは、定額料金システムは、権利者への十分な報酬を生み出さないと非難している。