カナダ状況:
- カナダの最高裁判所は、以下を含む、5つの著作権関連裁定を下した。
- 音楽配信業者は、楽曲ダウンロードに関して送信使用料(communication royalty)を権利者に支払う必要はない。ダウンロード購入も、CDを購入することと同様であり、追加料金が発生するべきでない。
- 映画に挿入されている楽曲は、その状態では録音物(sound recording)とみなさない。
- 小売業者は、30秒まで無料で楽曲の試聴を3提供可能。
- 教育機関において、教師が授業で配布するためのコピーは、公正利用とする。
- 7月3日、著作権近代化法(C-11)が成立した。これにより、利用者は、非営利目的であれば、著作物をパロディ、風刺に使用可能とし、また、合法に入手したコンテンツは他メディアにコピーが可能。その場合は、著作権保護技術策の回避は許されない。また、インターネット・サービス・プロバイダーは、権利者から著作権侵害の通告があった場合は、その旨利用者へ通知しなければならなくなる。
- カナダ政府は、7月4日、マイクロSDメモリカードを私的録音録画補償金の課金対象としないと発表。カナダ私的録音録画補償金管理団体は、課金対象だと主張していた。
英国状況:
- 著作権管理団体(PRS)とグーグルによれば、違法ファイル共有サイト、合法的な配信サービス両者ともに増加傾向にある。但し、現在、合法的にオンライン上で簡単に音楽を購入できるため、無許可で音楽ファイルを販売するといった著作権侵害は減少している。
- 英国知財局によると、英国政府は、著作権者の不明な作品(orphan works)の商業的・非商業目的での使用を許可する新しい法律を模索している。クリエイティブ市場に損害が生じないように、ユーザーは許可を得るために使用料を支払うことになりそうだ。
中国状況:
- 中国国家版権局は、7月12日、著作権法改正案の再案を発表した。当初の改正案で論争の的であった、レコード製作者が著作者の許可なく著作物を使用できる条項は削除された。また、インターネット・サービス・プロバイダーに、利用者の著作権侵害がみられた場合の責任義務が大きくなった。