イタリア管理団体、2年ぶりに政府管理から脱却 ―SIAE、新体制決まる―
イタリア音楽出版社協会(FEM)が、イタリア著作権管理団体、SIAEの新体制について、3月19日、以下の通り発表した。
3月18日、SIAEの新しい理事会(Supervisory board)は、最初の会議を開催した。
理事会は全部門(楽曲、歌詞、映画等)を代表する17名の作家と17の音楽出版社の合計34会員により構成され、理事会は会長及び副会長を選出し、同時に5名からなる取締理事会(Management board)を選出した。
新理事会会長はFranco Micalizzi(高名な作曲家)、副会長はPaolo Franchini(音楽出版社兼FEM事務局長)。
取締理事会の5名はメイジャーグループと独立各グループの中からそれぞれ選出された。その内以下の3名はFEMが作家連盟と合同で提出したリストから選出されたものである。
Gino Paole(取締理事会会長就任予定):大変尊敬され且つ人気のあるシンガーソングラインター
Filippo Sugar:音楽出版社兼FEM会長
Domenico Luca Scardino:弁護士兼前SIAE特別委員長(過去2年)。
今回の選挙により、2011年4月より設置されていた特別委員長の職務が終了する。特別委員長はSIAEの特殊な経済事情とSIAE会員間の分裂による団体の構造的危機を克服するため政府の命令により設置された。
特別委員長任命前は理事会及び取締理事会のいずれもマイノリティ・グループから選出されており、しかも取締理事会は無能な組織であったことを忘れてはならない。
SIAEの継続的な縮小を前に長く不毛な戦いを続け、ようやく2011年初項になって、SIAE取締理事会が一貫性が無く信頼性に欠ける2010年のバランスシートを提出してきた。それに対し、政府も我々からの要求を容れ、特別委員長を任令し、SIAEをリセットすることを決定したのである。
FEMはこのような危険な状態にあることを認識し、SIAEを強化するために以下のような行動が必要と考える。
- 団体基金
全年間収入の4%(作家)及び2%(出版社)を同基金のために控除する基金規則の撤廃。 - 団体年金基金
従来不動産資産によって年金基金が運営されてきた結果、年間700万ユーロの赤字が出ていた。しかし、今後不動産は不動産保険会社を通じてSIAEが所有する不動産基金に移管される。これにより、赤字補填することなく保険会社の保証する年金サービスを100%受けることができるようになる。このような変更をするにあたり、同基金にまつわる種々の問題が暴露され、起訴された。 - 新規雇用または業務委託契約を全ての職員及び業者と締結。これにより自動的に給与が上がったり業者費用の減額がなくなるようになる。
- 新規役員雇用契約により、役員の特権を廃止する。これにより民間企業の役員と同等のものになり、民間企業のそれと同等の条件で役員を解任解雇できるようになる。
- 2010年バランスシートは特別委員長の監査により1800万ユーロの損失と判明した(100万は通常の業務による損失、1700万は過去2年間の年金基金の未払計上)。この結果2012年のバランスシートは約1800万ユーロの黒字を期待できる。
- 新定款
新定款により選挙は、収入及び作家/出版社が50/50の原則に基づき選出されることになった。