ICMPニュース vol.17 (2013年2月20日更新)

配信による音楽購入さらに増大へ

韓国は音楽消費者の56%は配信を利用し、米国は52%、英国は45%で続いている。しかし現在の消費傾向によれば2016年には米国が第一位、英国が第二位となるものと予想される。
他方BPI(英国)の調査によれば、約20%の消費者は全ての楽曲を配信で購入したいと考えており、昨年英国の音楽ファンの27.7%はiTuneやAmazonから楽曲をダウンロード、ないしSpotifyやYouTubeからストリーミングしている。

知財の重要性と各国間貿易協定の進展

2月5日、欧州委員会委員長は、その書簡の中で貿易がEUの経済成長や就業機会の増加に多大な貢献をしているとし、更に貿易協定における知財の重要性を強調した。
書簡の中で、同委員長はEUの貿易方針及び変化する貿易課題の背景をまとめ、EUが今後求めるべき主要な方針を明記した。同書簡は、自由貿易協定のめざましい進展の中で発表されたものである。
オバマ米国大統領は2月15日の一般教書演説の中で、EUと米国の間の知財保護を含む規定と技術的基準のハーモナイゼーションに焦点をあてたTTIP(Transatlantic Trade and Investment Partnership)交渉の開始を発表した。
本交渉は成立すれば世界経済の約1/2、全貿易の1/3をカバーする1995年のWTO設立以来最も大胆なものになると考えられる。 同演説の中で同時に、オバマ大統領は来月シンガポールで次回会議が想定され、10月に締結を目指す、TPPについても支持する旨、言及した。他方、大胆な二地域間の経済パートナーシップを目指す、日本での自由貿易協議が間もなく開始されるだろうと、貿易コミッショナーのKarel De Guchtが明らかにした。インド政府はインド-EU自由貿易協定が本年4月までにも締結されると発表した。最後に、カナダ-EUの間の包括的経済貿易協定は農産物市場における不一致のため、数週間遅れる可能性がある旨明らかにされた。

著作権保護、ウクライナが最も深刻

米国の国際知財連盟(IITP)の「2013年著作権保護と強化に関する301報告」は、48地域による著作権違反と市場参入障害の詳細について詳細な説明をした。なかでも、IIPAはウクライナを深刻な法的及び著作権問題について最優先問題対応必要国(PFC)と認定し、7ヶ国を充分かつ効果的な知財の保護と公平な市場否定に関する優先監視リストに、25ケ国を監視リストに入れるべきと勧告した。
米国通商代表部(USTR)は2月20日同報告に関する公聴会を開催し、4月頃米国政府としての301報告書を提出する予定である。
グーグルは1月の透明性報告で、著作権及び商標所有者より13.6百万URLの撤去要請を受けた旨明らかにした。それは単なるURLの撤去のみならず、43,015の特定ドメイン名の撤去も要求している。

パンアフリカ知財事務局設立へ

アフリカ・ユニオン頂上会議において、アフリカ・ユニオンの参加国代表は「パンアフリカ知財事務局」設立の計画は予定通り前進していると発表した。

オーストラリア音楽売上4%増

豪州レコード協会は、オーストラリアの2012年の音楽売上が2009年以来初めて前年比4%増加したと発表した。その内46%はDeezerやSpotifyなどによる新しいストリーミングサービスを含む配信売上である。

ニュージーランドで初の罰金

ニュージーランドでは、著作権裁判が初めて非合法ダウンロードに対してNZ$616(約5万円弱)の罰金を課した。氏名は公表されていない。