WIPO(世界知的所有権機関)条約に的外れな議論を持ち込むべきではない
米国映画協会(MPAA)と盲人連盟(NFB)は、共同声明を発表し、世界知的所有権機関(WIPO)条約の交渉では、視力障害を持つ人々のアクセスを容易にするという目前の問題に集中するべきであり、無関係な点を交渉に含むべきではない、と述べた。
NFB代表取締役のマルク・マウラー氏とMPAA会長兼CEOのクリス・ドッド氏は、「この重要な条約が本質的ではない課題にとらわれているべきではない。その目標は視覚障害者のために出版物へのより広範なアクセスを作るための有意義な条約にすることである。」と述べた。
ICMP、ラテンアメリカ地域会議開催
5月31日、ICMPは第1回ラテンアメリカ地域会議(LARC13)をマイアミで開催。同地域のICMP加盟国の音楽出版社が出席した他、ペルーのような地域外からも参加。また、同会議にはラテンアメリカ、英国、米国の著作権料徴収団体代表者も出席。
議論された問題は、地域内の音楽出版社が向き合っている様々な状況、ビジネス上の主要な問題及び音楽産業の未来についてであった。特に強調されたのは、ラテンアメリカにおけるデジタルユーザーのための「ワンストップショップ」設立及びGRDについてであった。
音楽出版社と著作権料徴収団体における共通の問題が詳細に議論された。実際、正確で統一的なデータは著作権料徴収の上で必要条件であると、参加者間で意見の一致があった。
米国、知的財産窃盗に関する委員会
米国の知財窃盗に関する委員会は、米国での国際的な知財権違反の結果に関する報告書を発表。あらゆる経済分野に影響を及ぼしているこの問題に注意するべきであり、知財窃盗から生じている米国の雇用とGDPの損失を強調した。知財権保護に関する努力が劣っている国として中国が強調された。また同国は最近そのような状況の改善に努めているとされた。また、この報告書では、知財窃盗を伴うサイバー攻撃から企業を保護するためのサイバー解決法についても検討している。
音楽、ライブミュージック市場は成長続く
PwC (プライスウォーターハウスクーパース:世界四大会計事務所の一つ)は2013年エンターテインメントとメディアの予測報告の中で、米国は音楽とライブミュージック市場において、今後4年間毎年1%の成長が期待されるとした。同予測によれば2017年には、CDの売上が14億ドルを占め、デジタル音楽の売上は46億ドルになるだろうとされている。
中国、海賊行為に対するキャンペーン
中国政府は、著作権を含む知財権保護のより厳格な実施のためのキャンペーンを発表した。また、知財権の国境を越える違反を取締まるために日本や米国と協力予定。
ALRC(オーストラリア法改革委員会)、より柔軟な著作権法を
一般協議をうけて、オーストラリア法改革委員会(ALRC)は国の著作権法を見直す討議論文を公表した。例外と制限に基づく現行法にかわりフェアユース概念を導入するべきであると提案した。フェアユース概念は、リサーチ、レビュー、パロディ、キャッチング、私的利用と教育等の例外をカバー出来るとした。これに対する国民の意見募集を7月31日まで受け付けている。
バルニエ委員、デジタル単一市場についてスピーチ
5月28日、国内市場担当の欧州委員会のミシェル・バルニエ委員はデジタル単一市場の重要性についてスピーチし、欧州人のために配信コンテンツの国境を越えるアクセスを改善するために効率的なライセンスを促進している委員会の努力を強調した。また、委員会は現存する著作権法を評価しており、改訂が必要かどうかは2014年内に決定すると述べた。
この他にもバルニエ氏は、「欧州全ての人々が国境を越えて自分達のタブレットやスマートフォンで好きな音楽を聴くことや好きなテレビ番組を見ることが出来なければならない。また、欧州の公共の場では無料で様々な情報源へ簡単にアクセス出来なければならない」と述べた。
フランス、Hadopi(違法ダウンロード取締まり法)はユーザーのインターネット接続遮断能力失う?
フランス政府はHadopiの、海賊行為を行うユーザーインターネット接続遮断をする権利を停止するようになるかもしれないと示唆した。ただし、これまでHadopiは実際に接続を遮断したことはない。
フランス、裁判所がアップル社に対し私的録音補償金500万ユーロ支払い命令
フランスの裁判所は、アップル社に対し、権利者達に報いるために私的録音補償金として500万ユーロを支払うよう命じた。コピーフランス(補償金収集に対して責任がある同国内の組織)は、iPadの価格に含まれる私的録音補償金を支払うように要求した。
ドイツ、著作権保護期間延長案が議会を通過
6月7日、ドイツ上院議会は、著作権保護期間延長と共同作品保護の調整に関するEU指令実施のための法案を承認した。この法律は大統領の署名を受けて有効となる。
ロシア、プーチン大統領がIP(知的財産)保護強化訴え
ロシアのプーチン大統領は、同国内のエンターテインメント産業を保護するためには、知財権が強化されなければならないと発言、「知財権の保護なしでは、大きな損害を負うであろう」とした。