2016年12月30日付
ジョナサン・ホ(フジパシフィックS.E.Asia)
香港
スマホアプリの進出
中国の未認可のデジタル配信やカラオケのスマホアプリの業者の多くは、香港や台湾でのサービス開始に向けて、CASH(著作権管理団体)や音楽出版社への交渉を始めています。香港の音楽出版社側は、中国国内での利用許諾が解決しているかどうかが中国国外での二次的な利用開発を許可する上の指標として考えています。
香港の音楽出版社は、これらの会社に、中国国内の権利問題の解決を優先して促しました。しかしアプリ管理会社側は、既に中国のMCSCの包括ライセンスを受けていると認識していました。出版社側は、再三、MCSCの管理範囲内の許諾しか受けていないすべてのレパートリーは含まれないと説明をしました。
Miracle TVの放送開始
2016年4月にViu TV(香港の無料放送テレビ局)が放送を開始して以降、3つ目の無料放送Miracle TV(ケーブルTV香港傘下)が2017年の6月に放送を開始することを正式に公表しました。
同TV局は昨年はじめ、周波数の割り当てを政府から受けていました。
中国
国内外の分配業務に関する問題点について
2016年12月の上旬に北京で行われたCISACアジア太平洋会議に、中国国内の出版社が出席しました。出版社は、作品届の提出~ロイヤリティの分配業務に関する長年にわたって抱えている問題点を示しました。
メイントピックは、巨額の使用料が海外の管理団体に支払われているが、これは国内の出版社が徴収すべきものであるということでした。この問題は出版社と管理団体とのお互いの信用に大きな影響を及ぼす問題でした。ブランケットライセンスが得られないとなると市場を劣化させることになるでしょう。
従って、細分化されたライセンスは音楽マーケット全体で考えると障害になります。特にデジタル配信が進んだ現在の市場の状況を考えるとそういえるでしょう。このラインセンスの問題から、よりグローバルなライセンスが生じると、国内の出版社の収入はこれらの問題のある国から流出していまいます。
音楽出版社は難しい問題ではありますが、より確かな分配を行う上で解決する必要があると改めて認識しています。