2017年2月28日付
ジョナサン・ホ(フジパシフィックS.E.Asia)
香港
香港の市場の状況
香港国内の小売産業の売上は9.6%減となりました。奢侈品(高級品)の分野では最高値が12.3%下がりました。このもっとも大きな要因とされているのは、中国本土からの観光客の消費が鈍ったこととされています。これには香港人の本土観光客への嫌悪が招いた結果ともされています。CASHによると、演奏権収入も同様の低迷が予測されています。
コンサートDVDのシンクロ許諾問題について
国内市場の全体的な低迷とは反して、LIVEコンサートビジネスの売り上げは、市場全体に占める割合を増やしています。多くの人気歌手のコンサートチケットは、発売と同時に即完売が常識です。現在、主催者とレコード会社は楽曲のセットリストの問題解決に向けて話し合いをしています。レコード会社は、公演後にコンサートを収録したDVDの販売や、デジタル配信をしたいと考えています。それ故、レコード会社は収録する全楽曲のシンクロの権利の許諾問題を解決しておく必要があります。
ところが、実際には過去のヒットソングの中にはシンクロ許諾が取れない楽曲があります。特に、楽曲を管理するSPが何度も変わっていると、オリジナルの契約書を探し出すことが困難です。そんなケースでは、編曲された古い楽曲として新しくリリースして許諾を取ります。DVDのリリースに関わる許諾問題が出てきてからは、プロモーターはシンクロ許諾を取るのが困難な古い楽曲の使用を避けるようになりました。
香港のカラオケ事業について
ここ数年、デジタル配信による音楽の利用が始まった影響でカラオケ産業は低迷しつつあります。そんな状況の中、最近、大手カラオケ事業者のビッグエコーが香港市場への再進出を決定しました。最初の展開は、香港の繁華街として有名なMongKok(旺角)でした。店側は昨今のカラオケトレンドとして、LIVEストリーミングやインタラクティブ配信を取り入れた機械の導入を要望しています。