2014年7月2日付

ジョナサン・ホ(フジパシフィックS.E.Asia)

香港

パロディ作品の法廷論争について

3月初め、IPD(Intellectual Property Department)は著作権ミーティングを開きました。長期にわたるパロディ作品に関しての議論をしました。ミーティングでは、IPDの著作権従事者が主要ポイントをどのように解釈したか、すべてを包含した新しい文書について議論しました。結果として、UGC(Users’ Generated Content)のように予期せぬ派生した問題について議論されることとなります。しかし、パロディ作品は公正取引の元でおこなわれるはずであり、裁判で審理されるべきです。この文書は立法会議での訴訟手続きの書面として提出されました。MPA香港は、IPDのパロディ議論に快く参加すると答えました。MPA香港は同様に、様々なグループディスカッションを通して、パロディ作品の著作権法案の新改正を理解していくであろうと述べました。

Set Top Boxの影響について

IPDとのMTGの最中、著作権業界はTVをインターネットに接続することで世界中のTVを見ることができる「Set Top Box」という機器の急速な成長を懸念していました。人気のドラマシリーズは1億回の再生回数が見込まれます。著作権団体はSet Top Boxは正式な料金を支払わなくても、TVや映画や音楽の視聴が、たった500香港ドル(65米ドル)の機器で可能であることを証明してしまったため、TVや映画団体だけでなく他の業界にも大打撃になると主張したのです。

香港国内のスタジアム建設について

一方で、エンタテインメント業界は、海外や国内の歌手のLIVEをする大きなスタジアムの新設に関して政府に訴えました。香港国内の大きな会場といえば約12,000席を収容する香港スタジアムです。これに対して、台湾や韓国やシンガポールなどの近隣国には30,000～40,000席までを収容する巨大な会場があります。業界団体は、政府はもっと大きな会場新設に積極的に目を向けるべきだと訴えました。

マカオ

カジノの演奏権の問題について

前回の記事で述べたように、カジノやホテルとコンサート会場での演奏権の問題は状況が悪化していました。3月初め、MACAはついに、ホテルとカジノの長きに渡る未解決なライセンス問題を法的立場でサポートする裁判所からの令状を受け取りました。これまでになかったカジノでの適正な運営をするための契約が、マカオの大手レジャー施設であるCity of Dreamsとの間で締結されました。このライセンスはカジノだけでなくすべてのホテルやショッピングモール、コンサート会場も包含しています。

中国

中国の出版社協会設立について

ここ5、6年で、中国国内の出版社はMPAが設立できるかどうか検証しました。しかしながら協会の設立は、「publishing」の意味が国内で理解されていない上、地方支社の設立は運営コストとかかる諸費用の問題で困難を要しました。電子音楽市場と地方のインディーズ、台湾や香港の中国的な音楽プロダクション、地方の出版社はカジュアルな意見交換を目的としたミーティングの開催を提案し、ノウハウを共有することで、国内の出版業の成長をはかろうとしています。

ライタープロフィール

ジョナサン・ホ
香港を拠点とし、1986年から音楽業界で活躍。1998年フジパシフィックミュージック東南アジア支社長。2007年から香港著作権管理協会（CASH）理事、香港音楽出版社協会会長。東南アジア地域の音楽出版社の集まりであるアジア音楽出版社協議会（AMPs)理事長でもある。