16カ国のアジア太平洋諸国が自由貿易協定協議を開始
地域包括的経済連携構想(RCEP)の第1回自由貿易交渉が5月に開催予定。ASEAN10カ国に加え、オーストラリア、中国、インド、日本、ニュージーランド、韓国が交渉に参加する。2015年末までには、協定が合意に達する見込みである。
日本が環太平洋パートナーシップ(TPP)協定交渉に参加
4月21日、日本はオーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、米国、ベトナム以上11カ国との環太平洋パートナーシップ(TPP)協定交渉に参加した。
EU自由貿易協定アップデート
EUの貿易相らは、米国との環大西洋貿易投資パートナーシップに向けた自由貿易交渉のための委任の締め切りを6月末とした。フランス政府当局は、EU-US貿易協定がヨーロッパ経済に劇的な改善をもたらすことに関しては懐疑的であるが、同時にどのようなEU-US自由貿易交渉からも文化/視覚的事項は除外されるべきであり、この点についての妥協はない旨明らかにした。
一方、第1回EU日本自由貿易協議は、交渉は順調に開始したとの関係者のコメントに見られるように成功裏に終わった。次回は、6月24日から28日に東京で行われる予定である。
他方、EUモロッコ自由貿易協定の第1回交渉が、4月22日に始まった。この交渉は、知財も含まれると予想されている。
また、EU関係者は18カ月以内にタイとの自由貿易交渉を完結したい旨を表明している。交渉中の自由貿易協定は、包括的内容で知財に関しても含まれるとみられる。
カナダEU自由貿易協定、近く締結か?
カナダ財務相のTed Menziesは、現在交渉中のEUカナダ間の自由貿易協定は、北米自由貿易協定(NAFTA)締結にいたった交渉よりもさらに複雑であり、その完了時期を明言できないとしていた。
しかし最近、EUの当局者は、交渉はほぼ完了しており、ここ数週間のうちに締結できるとしている。
過去あたかも終決と云われながら結局成立しなかった多くの交渉があったように、確固とした結論にいたるまで、当分このようなはっきりしない状態が続くとみられる。
デジタル時代の著作権法へ見直し
Goodlatte米国司法委員会委員長は、現在の著作権法がデジタル時代に適合しているか否かの評価を行いつつ、今後数カ月以内に米国著作権法の包括的な見直しを行う予定であると発表した。
この発表について、全米音楽出版社協会(NMPA)会長兼CEOのDavid Israeliteは、「同委員長のデジタル時代の著作権法に関わる複雑な問題探求への献身を称えるとともに、配信市場において作詞家、作曲家、音楽出版社そしてその他のクリエーターが直面する諸問題に対する対応を期待する」と述べた。
YouTube著作権侵害の責任なし
4月18日、米国地方裁判所判事は、YouTubeはデジタル・ミレニアム著作権法(safe harbor provision)によって保護されており、メディア企業バイアコムが主張していた著作権侵害への責任はない、との判決を改めてくだした。2010年の最初の判決もYouTubeに責任はないとしている。判決によると、バイアコムは、YouTubeが使用者による侵害活動に参加もしくは強要していたことを示す事ができなかった。バイアコムは上告するものと考えられる。
中国:知的財産権(IPR)保護「改善」
中国では一週間にわたる知的財産権(IPR)啓蒙キャンペーンが行われ、知識局の代表は、国内の知的財産権保護は改善を続けていると強調した。
知識局理事は、「2008年の国内知的財産推進戦略から、国内の市場関係者は、知財の創造、利用、保護、管理に意欲的に取り組むようになってきている」と述べた。
フランス: Hadopi、共同研究センター(JRC)レポートに挑戦
4月19日、フランスのHadopiは、欧州委員会の共同研究センター(JRC)が発行した直近のレポートに反論する報告書を発行した。共同研究センターレポートがミュージックファイルの違法ファイル共有は合法的なダウンロードにマイナスの影響を与えないと主張しているが、Hadopi報告書は、研究センターの議論を無効にするようなレポート内のいくつかの構造的欠点を発見したとしている。
ドイツ、オンライン上の著作権保護に理解高まる
2011年にはドイツのインターネット使用者の15%がファイル共有は合法であると考えていたが、現在は4%に減少しており、オンライン上の著作権について認識が広がりつつある事を示している。この研究によれば、音楽に関するオンラインコンテンツの合法的サービスに対して顧客満足度が向上していることも分かった。80%の回答者がサービスに満足している。
英国、違法ダウンロードへの認識に混乱
英国の法律事務所ウィギンズが行った調査では、回答者のほぼ70%が侵害から著作物を保護することが重要であるとし、2010年の55%から増加したことが分かった。しかし、一方、参加者の相当数がファイル共有サイトに著作権保護コンテンツをアップロードすることが違法であったことを知らなかったことが分かった。