2013年4月30日付
ジョナサン・ホ(フジパシフィックS.E.Asia)
香港
ローカルミュージック市場拡大の兆し
ソニー、ユニバーサル、ワーナーと香港の主要テレビ局であるTVBの関係はTVBが新しいマネジメントチームに変わってから改善された。 4月中旬、3レーベルの複数のアーティストがTVBのローカル音楽番組に出演し、これをもって3レーベルとTVBとの争いは幕を閉じた。その争いはレコードに関する演奏権、及びライセンス料に関するもので、3レーベルは2009年にIFPIを脱退し、独自にHKRIAという許諾団体を作った。TVBが3レーベルの作品の使用料を下げるよう主張し、それが音楽出版社やCASH(香港音楽著作権協会)の対TVBとのライセンス料について影響した。
全ての関連する会社はローカルミュージック市場の販売増になるものと和解を歓迎している。
Spotify、音楽サービス開始
4月16日、Spotifyは香港、シンガポール、マレーシアで音楽サービスを開始した。Spotifyのサービス開始は音楽配信市場における競争を促進し市場に刺激を与えるものと推測されている。香港ポップ中心のMoovとマンダリンポップ中心のKK Boxという二大ストリーミングサービス提供事業会社はすでに中国南部のMoovやシンガポールやマレーシアへのKK Boxのように他のS.E.アジア諸国にその活動を拡大している。
中国
初めての放送使用報告開始
主要なラジオ局やテレビ局はMCSC(中国音楽著作権協会)と2010年、2011年と放送権について契約を交わして以来、ラジオ放送使用報告が実際の放送に関する著作権料計算上の大きな懸念であった。4月中旬に国営ラジオ局のCNRは2012年における7000時間の音楽使用番組をカバーした最初の使用報告を提出した。この報告は作詞、作曲家や使用時間のような有益な情報を含むものである。これは今後の著作使用料分配における好調なスタートとなった。
新システム導入
MCSCは香港のCASHによって開発された新しいDIVAコンピューターシステムも問題なく導入されたと発表した。DIVAシステムのひとつの新しい点は、日本語や韓国語のように他国の楽曲タイトルにおいて役立つであろう多言語間の互換性にある。
台湾レコード会社からの提案
複数の台湾のレコード会社は、MCSCに対してMPA台湾を通して、カラオケ収入に関するレコーディング会社と音楽出版社の分割比6:4について問題提起した。台湾側は音楽出版社への分割比を20%まで下げ、残りの80%をレコーディング会社にすることを期待している。
台湾
国際的な配信事業社が抱える課題
iTunesが2012年に台湾を含むS.E.アジア諸国で開始されて以来、国際的な配信事業会社は台湾地域をキーマーケットの一つであると考えていた。しかしながら、これらの配信事業会社は一ヶ所で諸権利をクリアすることに多くの問題を抱えており、この地域におけるサービス開始を躊躇しているのが現状である。