ジョナサン・ホ(フジパシフィックS.E.Asia)2022年6月30日付

2022年6月30日付

ジョナサン・ホ(フジパシフィックS.E.Asia)

香港

著作権法改正案可決、Cable TVとの包括契約締結、チケット転売対策

 懸案であった2012年著作権法改正案(通信権導入に関するもの)が、6月上旬に立法院で第1読会および第2読会が行われ、可決された。 政府は各業界や一般市民から提出されたパブリックコメントに対する回答とともに、改正法案の最終版を提示した。MPA HKの提出したコメントに対して、政府は現行の法案修正はユーザーとライセンサーの利益のためにバランスをとる必要があると全般的な回答していることは注目に値する。政府はセーフハーバーについて、関連規定を支える実施ルールを強化する際には、様々な利害関係者の見解を考慮すると言及した。パロディに関しても、特定の個別規定のさらなる明確化や調整する必要性を検討すると政府は回答した。著作権期間を50年から70年に延長する要求については、政府はより深い検討が必要であるとした。MPA HKは、他の関連業界団体と協力し、上記の主要な点についてさらにロビー活動を続けて行く。
 
 MPA HKは長年にわたり、TVシンクロ権の包括ライセンシングをめぐり、Cable TVと長きにわたってハードな交渉を続けてきた。そしてようやくMPA HKはCable TVと契約を締結するに至った。出版社の支援により音楽の選択肢が増えることでさまざまな作品を強化できると、MPA HKはCable TVに対し納得させた。また、TVBとViu TVのタレントショーの成功は、音楽がテレビ番組にとって根本的かつ重要な要素であることを物語っている。TVシンクロ権の包括ライセンスを取得している既存のすべてのTVプロダクションにとって、今回の契約は最終合意となった。MPA HKは過去数年にわたり、東南アジアの関係団体にTVシンクロ権の包括ライセンス契約について紹介し、包括契約が出版社とTVプロダクションの双方にどのような利益をもたらすかについて経験を共有してきた。
 
 4月下旬のキョン・トー(Keung To)の誕生日にファンクラブが香港人全員にトラムライドを提供したのに続き、グループのアイコンであるアンソン・ロー(Anson Lo)の7月7日の誕生日には、(メンバーであるグループ)Mirrorのファンクラブがスターフェリーの無料乗船を実施する予定だ。これらと同様なことをするファンクラブやグループが増えてきている。無料の乗船乗船を提供することは、アーティストにとって効果的なPR・宣伝手段となっている。
 
 7月下旬に開催されるMirrorのコンサートのチケットは、定価の250倍の44万香港ドル(5万6000ドル)にまで高騰した。このような事態を打開するため、主催者側はチケットの販売を登録者に限定することを発表した。コンサート会場に入る際に登録されたチケット所有者の確認に時間がかかるという意見はあるが、それでもチケットのダフ屋行為に対抗するために行う価値がある。

中国

MCSC創立30周年

 MCSCは、1992年に設立され翌年には香港のCASHと最初の相互協定を締結したことを振り返りつつ、30周年を迎えたことを発表した。1994年以降、MCSCは現在までに80の団体と相互協定を締結した。また、2001年の放送権、2009年の放送使用料や2020年のオーディオビジュアル権の導入など、著作権法の改正にも立ち会ってきた。 2020年以降、MCSCの収益は4億人民元(約6,000万ドル)を超えている。

台湾

TIPOがカラオケ機器の演奏使用許諾料の提案を始める

 台湾知的財産局(TIPO)は、MIDI音源カラオケ機器を使用する飲食店等の演奏使用許諾料提案のために、公な発言を開始した。音楽著作物に関する提案では、1台あたりの使用料を、商業用途は5,000台湾ドル(165米ドル)、文化・教育用途は4,000台湾ドル(134米ドル)、非営利慈善用途は3,000台湾ドル(100米ドル)としている。 料金は、政府の指定管理団体であるMUSTが徴収する。

ライタープロフィール
j-ho

ジョナサン・ホ
香港を拠点とし、1986年から音楽業界で活躍。1998年Fujipacific Music (S.E.Asia) Ltd.マネージングディレクター。2007年から香港著作権管理協会(CASH)理事、香港音楽出版社協会会長。東南アジア地域の音楽出版社の集まりであるアジア音楽出版社協議会(AMPs)理事長でもある。