2017年4月30日付
ジョナサン・ホ(フジパシフィックS.E.Asia)
台湾
台湾の配信サービスの現状
国内の市場で国際的なデジタル音楽配信業者と競争するため、台湾の配信業者はサービス内容を拡大し、海外コンテンツの取り扱いを増やしました。その結果、台湾の配信業者は大量のデータや印税支払いを処理できないことが明らかになりました。
台湾市場では、国内のコンテンツが圧倒的に売れているので、国内の配信業者としては、海外コンテンツの取り扱いを続けるにあたって膨大な時間と管理コストを費やすのは、合理性がないと判断するに至りました。
しかし音楽出版社側は、苦情や著作権管理業務を第三者の管理専門業者に委託するよう提案しています。
中国
中国の配信サービスの現状と問題
デジタル音楽配信大手2社が、お互いそれぞれが独占的に使用許諾を得ている音楽著作権を取り下げるよう法廷闘争を続けていることが、著作権管理局の目に留まりました。さらに傘下の著作権侵害対策チームが独占契約について懸念を表明しました。
問題が生じたのは、著作権侵害対策チームが著作権侵害の疑われる業者を捜査した時のことでした。著作権を侵害している業者側は楽曲の独占的使用権が大手2社に認められていることを引き合いに出し、著作権侵害対策チームの法的措置に対し逆に疑問を投げかけたのです。
タイ
出版社とMCTの関係について
1年前、音楽出版社側はタイ音楽著作権協会 (MCT)側と関係断絶寸前の状態でした。当時行われた役員選挙が出版社側の同意を得たものでなかったのに加え、長期に渡り管理体制の不備が続いていたことが原因でした。ここ数カ月の間に、タイの音楽出版社側は最後の手段として協議を積み重ねることを提案し著作権管理団体を訪れました。
出版社側は著作権管理団体を苦しめることが目的ではなく、根本的な問題の解決を望んでいる旨を繰り返し伝えました。情報管理や分配システムを全ての作家や出版社にとって公平な制度となるように改善することでした。タイの音楽出版社側は著作権協会国際連合 (CISAC) に対し、協議を通じて出版者側と著作権管理団体の関係は改善したと伝えました。
さらに、関係改善により著作権協会の業務遂行能力が強化され、タイの作家や音楽出版社がより多く著作権管理団体に加入できる、今までより望ましい仕組みを作り上げることが出来ました。これをモデルとして、タイの音楽出版社は同じ関係を他の東南アジア諸国の団体と築いていきたいと願っています。