2013年8月30日付
ジョナサン・ホ(フジパシフィックS.E.Asia)
香港
IPDとMPA香港のパロディ対策について
7月下旬、IPD(香港知財部)はCASH(演奏権管理協会)とMPA香港を招いて「パロディについて著作権をどう扱うべきか」について協議した。
これは政府が著作権法の通信権に関する第二次読会開催を検討中のため、ここ2年間ホットトピックスとなっている。パロディを擁護するグループは、一般的に言って政府批判のパロディが多いインターネット環境下において本著作権法改正は言論の自由を抑制するものだと主張している。
また、IPDは8月17日と9月22日の2回にわたって市民の意見を聞くための一般フォーラムを準備している。そこに、著作権事業に携わる、映画、広告、レコード会社、音楽出版社等の様々な業界を招いている。同フォーラムでは3つの選択肢が用意されており、それは先ず第1に民事及び刑事責任を問う、第2に刑事責任の放棄、最後に民事及び刑事責任の放棄である。
CASHとMPA香港との会議で、IPDは過去2年間インターネットユーザーからは多くの意見が寄せられたが、著作権者からはあまりなかったと説明した。
MPA香港は、種々の異なる意見をレコード会社やソーシャルネットワークのホームページ等に表明すると、サイバー攻撃を受けてサイトが麻痺したという事実を伝え、レコード会社や出版社は公の場で意見を表明することはほとんど出来ないと説明した。MPA香港は、全ての関心が言論の自由に集まっている時、それは著作権問題というよりむしろ政治問題であると述べた。
音楽出版ビジネスに対する理解を深めるために、MPA香港は9月上旬にIPDと会員社の会議の機会を設けることにした。これにより多くの意見がIPDへ寄せられるだろう。
中国
ボイス・オブ・チャイナがもたらしたもの
昨年の「ボイス・オブ・チャイナ」第1回のショーの成功を受け、2回目のショーが今年7月下旬に開幕した。前回の大成功により、多数のアマチュア、プロの歌手がこのショーへのオーディション参加へ関心を示している。なかでも注目に値するのは、2010年に流行し、ドリー・パートンの「I’ll Always Love You」の印象的なパフォーマンスでyoutubeのヒットカウント1億を超えたことで有名な台湾のジミー・リンもその一人だ。他にも、様々な古代中国についてのTVドラマにおけるユニーク且つ伝統的な中国の歌唱で有名になった中国のベラ・ユーも含まれている。
一方、「ボイス・オブ・チャイナ」の大きな成功のため、国内各地でいくつもの歌やタレントショーがプロデュースされ様々な地方TV局によって放送されている。政府は最近、ショーの数は既にあふれているとコメントし、TV局にこのような番組制作をしないように求めている。
フィリピン
著作権侵害、対策支援へ
昔から、著作権侵害はローカル音楽産業を悩ませてきた。最近著作権侵害業者が多く集まっているデン(首都マニラの繁華街の中に位置する)は閉鎖された。著作権侵害業者は現在首都マニラの南部に点在している。不便な場所のため、著作権侵害業者は弱体化しているようにみえる。
加えて、PARI(フィリピンレコード協会)は、Pop-Uプログラムをスタートした。このプログラムは、アーティストが各地の学校や大学に戻り、音楽価値を尊重し、著作権への意識促進について話すというものである。加えて、PARIは違法音楽業者に対し、社会福祉省、観光省、貿易産業省の協力を得て、彼らが合法的なビジネスへの切り替えができるよう支援を始めた。